飛騨家具は、岐阜県飛騨地方を拠点とする、優雅で堅牢なデザインで知られる家具ブランドです。その最大の特徴は、西洋の様式美と日本の品質基準を見事に融合させた点にあります。特に、高度な「曲げ木」の技術を駆使して生み出される滑らかな曲線は、飛騨家具の代名詞と言えるでしょう。その歴史は古く、1300年以上前に都の寺社仏閣を建立するために派遣された伝説の木工職人集団「飛騨の匠」の技と心に源流を持ちます。
近代的な飛騨家具の物語は、1920年(大正9年)に始まります。当時、豊富にありながら活用されていなかったブナ材に着目した地元の有志が、中央木工株式会社(現・飛騨産業株式会社)を設立。政府の奨励もあり、当時まだ洋家具作りの経験がなかったこの地で、高難度のトーネット式曲げ木椅子への挑戦が始まりました。当初は木の収縮によるシワや塗装の剥がれなど苦難の連続でしたが、約3年もの歳月をかけた改良の末に品質を確立。これが、現在では日本一のダイニングチェア生産量を誇る「家具産地、飛騨・高山」の礎となったのです。
飛騨家具への絶大な信頼は、目に見える品質から生まれます。その品質は、地域団体商標「飛騨の家具」認証制度によって保証されており、中でも「10年間の品質保証」は際立った特徴です。 この大胆な長期保証を可能にするのが、飛騨家具の核となる「曲げ木」技術です。木の繊維を断ち切らずに曲げることで、接合したものとは比較にならない本質的な強度としなやかさが生まれます。この技術的優位性への絶対的な自信が、長期保証という約束を支えているのです。 もちろん魅力は品質だけではありません。曲げ木が生む流麗なフォルムと、人間工学に基づいた快適さは時代を超えて愛されています。充実した修理体制も整っており、品質、美しさ、そして長く使える安心感が、飛騨家具を世代を超えて受け継がれる「一生もの」にしています。